♦婚前契約事例集♦ 実際にあった事例でケーススタディ


◯婚前契約事例①異性関係について(20代のカップル)


◯婚前契約事例②将来生まれてくる子どものために作成

◯婚前契約事例③熟年カップル(ともに再婚)

◯婚前契約事例④アメリカ人との国際結婚


◯婚前契約事例⑤お金の管理について(30代カップル)


◯婚前契約事例⑥フランス人男性との国際結婚


◯婚前契約事例⑦再婚者(子あり)との結婚


◯婚前契約事例⑧高収入男性と専業主婦のカップル


◯婚前契約事例⑨婚姻期間8年(夫婦間合意契約書)


◯婚前契約事例⑩ハワイの男性との国際結婚(Skypeで対応)


◯婚前契約事例⑪南米出身の男性との国際結婚(海外在住)

 

【番外編】

婚前契約(ケーススタディ)

 

婚前契約 事例①異性問題について

先日婚前契約を作成されたのは20代の若いカップル。

婚前契約を作成されるカップルで多い年齢は30代から40代ですので若いという印象です。

 

婚前契約は保険のようなもの

 

今回どのような経緯で婚前契約の作成に至ったのか…

作成自体は彼女の強い希望で、「将来に備えて保険のようなものを作りたい」ということでした。

ご依頼で多いのが、婚約中に彼に浮気された…でもその彼と結婚したいから婚前契約を作成したい、というもの。

今回は彼に浮気された経緯はなかったのですが、「保険」という安心感が欲しかったようです。
内容は多岐に渡っており、お二人でじっくり話し合われた様子が伺えます。

結婚前にこのような話し合いの場を設けることが非常に大切な事で、婚前契約を作成するかどうかは二の次だと思っています。

若いカップルは特にですが、好きという感情だけで結婚することが多いと思います。

結婚は、相手の良いところも悪いところも全てを受け入れなければなりません。

婚前契約は、冷静にシビアな内容も話さなくてはなりませんので、相手の意外な一面が浮き彫りになります。

ご依頼頂いたカップルも二人の将来のために、良いことだけではなくシビアな内容についてもきちんと話されておりました。

 

少し内容が厳しすぎ…

 

お二人で話し合われた内容を頂いたとき、率直に法的に少し問題ありと感じました。

内容が厳しすぎる印象です。

お二人の間での合意であれば問題ないのかもしれませんが、この内容を公正証書となると状況が変わってきます。

細かい内容についてはここで記載することはできませんが、あまりにも偏りのある内容やペナルティが厳しすぎる内容ですと裁判となった際、認められない可能性があります。

この辺りはご依頼者の方に説明をして、こちらがまず原案を作成し、その内容をみて頂いてからご意見を頂きました。

ではどの程度で問題となるのか…

これは、依頼する側からすると検討がつかないことだと思いますので、まずは書きたい内容を箇条書きでお知らせください。

ポイントは、本当に重要な内容にだけペナルティーを課す。

例えば不貞(不倫)に対して慰謝料というペナルティは問題ありません。

ですが、異性と連絡を取ることや食事に行くことに対して慰謝料を設定するのは厳しすぎです。

不倫は不法行為なのに対し、異性と食事に行くのは法律的に問題ありません。倫理的にも問題なしです。

婚前契約書に記載することはできても、ペナルティを課すことができるかは内容次第となります。

最終的にこちらで作成した内容を見て頂き、「よりシンプルですっきりしていて、でも重要なところはきちんと記載がある」と、満足のお言葉を頂きました。

作成の際には適宜アドバイスさせて頂いております。

 

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婚前契約事例②(女性20代、男性30代のカップル)

作成されたのは、女性20代、男性30代のカップル(女性からのご依頼でした)

 

最近では、若いカップルでも婚前契約を作成したいという方が増えてきました。

作成に至った理由は、やはり万一のとき(離婚)に備えたい、安心が欲しいということでした。

これまでに何かトラブルがあったわけでもなく、結婚前の幸せなカップルです。

 

女性も高収入なのに・・・

こちらのカップルはお二人ともに高収入で、職には一生困らない有望な資格をお持ちでした。

万一離婚して、子どもがいたとしてもこちらの女性であれば生活に困ることは恐らくないと思います。

ですが、ご本人曰く「いくら女性が稼いでいても、子どもを良い大学に行かせるのは大変ですから。」

とても現実的なご意見です。

 

通常幸せなカップルは結婚生活に夢を描きます。

悪いことより良いことだけを想像して結婚するのが一般的です。

もちろんそれでも良いと思います。

ですが、これから生まれてくる子どものことを考えて、満足な教育を与えてあげたいというのも一つの夢で、その為に婚前契約を作成することも、夢を叶えるための一つの方法だと思います。

実際、お子さんが二人三人いたら、女性がいくら稼いでいても限界があります。

お金がないから大学を諦めさせるのは親として非常に辛いです。

 

彼の意見も聞いてみました。

今回作成した婚前契約の内容は、彼にとって非常に厳しい内容。

通常どちらかに厳しい内容の時には、過去に彼が浮気したことがあったり、どちらかに問題があるときが殆どです。

ですが、今回はそうでもないようです。

彼としても最初はやはり内容に抵抗があったようですが、それでも彼女と結婚したいという彼の強い意思と覚悟があったようです。

結婚前に彼女ときちんと向き合う姿勢に、彼の誠実さが見て取れました。

 

今回のカップルのように結婚前に描いた夢を実現させるために・・・婚前契約について話し合って頂けたら幸いです。

 

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婚前契約事例③熟年カップル

熟年カップルI様

今回のご依頼者様は、ともに50代のカップルでともに離婚歴があり、お子さんもいらっしゃるという熟年の方からのご依頼でした。

離婚の経験があることから、お二人ともに「婚前契約」の必要性を感じ、特に、前回の離婚での辛い経験を活かして、婚前契約の内容を決めたいというご希望でした。

 

具体的には、お二人ともに資産をお持ちでしたので、

・結婚前の資産の明確化
・結婚後の不動産の購入について
・どちらかが先に死亡しても不動産はもう一方の配偶者が相続する(子どもが相続しないよう遺言書の作成)
・離婚時の慰謝料について
・尊厳死について

 

遺言書の作成や尊厳死についてなど、熟年カップルだからこその内容が盛り込まれました。

ここで、注意が必要なのは、日本の法律では、婚前契約で相続についての約束ができないという点です。

 

♦遺産については遺言書で♦

海外の婚前契約(プリナップ)では、死亡後の遺産についての取り決めも見受けられますが、日本の法律では、「遺言書」でしか死亡後の約束ができないとされています。

ですので、婚前契約に盛り込む場合には、「婚姻後に◯◯を相続させる内容の遺言書を作成する」といったように、遺言書の作成を約束する条項を記載することになります。

 

熟年カップルの場合には、婚前契約と遺言書と両方の作成をお勧めしております。

 

ご依頼者のI様、ご依頼から3週間程度で、公証役場での締結手続きが完了し、その手続き完了後、同日中に婚姻届を提出されたということです。

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婚前契約事例④アメリカ人との国際結婚

今回の事例は、日本人女性とアメリカ人男性との間での婚前契約書をご紹介致します。

婚前契約書作成の目的は、お二人ともにある程度の資産をお持ちでしたので、

「婚姻前の資産の明確化と婚姻後の財産を共有財産としない」

という財産関係をメインに事前に取り決めておきたいということでした。

 

この内容は、国際結婚では、一番オーソドックスな内容かと思います。

そして、もう1つ、重要な取り決めとして、

「離婚後に生活費の援助をしない」

といった内容も盛り込みました。

海外では、子どもに対しての養育費とは別に「配偶者扶養」というものが法律で定められていることがあります。

これは、収入の高い方がもう一方へ、金銭的な援助をするという規定になりますが、これを予め放棄しておくことが婚前契約で可能となります。

日本では、このような配偶者への扶養義務がございませんので、「離婚後に金銭的援助をする」といったような条項を記載することはあっても、放棄するような記載は勿論ございません。

国際結婚ならではの条文の記載となりました。

 

国際結婚の場合、どちらの国の法律を準拠法とするかの記載を必ずしております。

今回は、婚姻後、日本で生活されるということでしたので、日本の法律を準拠法とすることで記載致しました。

 

※日本で作成した婚前契約は、あくまでも日本でのみ法的効力を有します。海外で、法的効力を持たせるには、その国の専門機関へお尋ねください。

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婚前契約事例⑤30代カップル(お金の管理について)

ご相談者様
ともに30代のカップル(初婚)

ご希望の内容としては、主に婚姻後のお金の管理について明記しておきたいということでした。

具体的には、
「お金の管理は妻が行い、夫はお小遣い制とする」

 

こちらのカップルは、夫婦のお財布は1つにするという選択をされていらっしゃいました。

 

婚姻後のお金の管理・財産については、大抵3つのパターンに分かれます。

1 「夫婦のお金は完全に別々に管理し、共有財産としない」
2 「夫婦のお金は全て共有財産とし、お小遣い制とする」
3 「夫婦のお金は共有財産とし、夫婦で管理する」

 

1のケースですと、夫婦の共有口座を作り、お互いが生活費を出し合って、残りは全て個人の資産とするといったような個人の自由度が一番高い形になります。

 

2は、最近数は減ってきていますが、今回の事例では2のパターンになります。お小遣いの範囲内になりますので自由度は低いですが、よりオープンな形でもあると思います。

 

3は、お小遣い制ではない分、自由度があります。財産の管理は二人で行うので、透明性もあります。

 

この他に、専業主婦になるケースでは、生活費は夫が全て負担し、財産の管理は夫(妻)がするといったケースもありますので、様々なパターンが考えられます。

 

今回は、夫にとって自由度が低い形となりますが、家計の管理を妻にしてもらいたいというご希望があり、このような形となりました。

 

お金の管理をどうするか・・・

これは、結婚前に最低限決めておいて頂きたい項目になります。

お金に関しての話し合いは相手の価値観も見えますし、結婚後の生活もイメージできると思います。

 

例えば、夫婦で生活費を出し合うと決めても、将来お子さんができた場合、ある程度の期間、女性は働けなくなります。

その期間は当然生活費を夫が全額負担することになります。その期間だけは、妻に生活費を渡し、家計の管理を任せてもよいかもしれません。

 

このように婚姻生活をイメージして、十分な話合いをして頂けたらと思います。

 

話が少しそれてしまいましたが・・・

この30代カップルは、お金の管理の他にも、親族との付き合い方や、転勤になってもついて行かない等々、お二人の間の約束事も明記し、公証役場での締結に至りました。

 

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婚前契約事例⑥フランス人男性との国際結婚

ご依頼者様は、日本人女性とフランス人男性のカップル。

婚前契約を結ばれる国際結婚のカップルは、女性が日本人、男性が外国の方というケースが圧倒的に多いです。

今回は、フランス人男性の希望で、婚前契約を作成することになりました。

 

その主な内容は、離婚時の子どもとの面会について。

万が一、離婚するときに子どもがいた場合、離婚後に離れて暮らす父親がきちんと子どもとの面会ができるよう定めておきたいということでした。

 

日本では、国際結婚の場合、女性が日本人で離婚時に子どもがいた場合、子どもの親権は高い確率で母親となります。(国際結婚に限らずですが…)

夫は、子どもと離れ離れになりますが、子が父親と会う権利はもちろんあります。

ですが、外国籍の場合、子どもと会えなくなる…と思いこんでしまう方が多いようです。

勿論、父親が日本人ではないからといって子どもに会えなくなることはありませんし、そもそも面会交流は子どもの権利です。

 

外国人だから不利になる…ということはありません。

ですが、国際結婚に限らず、日本人同士でも離婚後に父親が子どもと会えない(会わせてもらえない)で揉めるケースはありますので、事前に婚前契約で、取り決めを交わしておくことは有効だと思います。

 

今回は、離婚時だけでなく、別居時に子どもと離れて暮らすことになっても、定期的に会えるよう条項を記載しました。

 

その他、慰謝料についての取り決めや、財産に関すること、夫婦の細かな約束事についても記載し、締結に至りました。

 

 

※プリナップ協会では、国際結婚の婚前契約(プリナップ)も多数扱っております。

 

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婚前契約事例⑦再婚者(子あり)との結婚

今回の事例は、一方が再婚者、もう一方が初婚というカップル。

 

ご依頼人は女性で、ご相談内容は以下のようなことでした。

「再婚者の彼に子どもがいて、養育費を払っている。決められた養育費を支払うのは仕方ないけど、それ以外の支払いがある場合には事前に相談してほしい。また、支払う養育費は、家計からではなく、彼の固有資産から支払う。」ということを明記しておきたいということでした。

 

一方が再婚で、未成年の子がいる場合、初婚同士より心配な点が多いのは確かです。

 

今回の場合、結婚する女性本人よりも、その女性の親御さんが結婚に対して不安になり、その親御さんの勧めで作成を決めたそうです。

 

国際結婚の場合もそうですが、再婚者(子あり)との結婚も、親としては心配なようで、親を安心させてあげたいという方の依頼も多いです。

 

再婚者で前妻との間に子がいる場合、もう1つ心配なのが死亡後の遺産問題。

これに関しては、以前にも書きましたが、婚前契約では死亡後の約束ができません。

遺言でのみ指定できます。

ですが、今回はこのような取り決めをしました。

 

「妻が死亡した際の遺産については、二人の実の子が相続する」

 

これは、夫より妻が先に死亡した場合に、夫が相続してしまうと、その後夫が死亡したときに、妻の遺産が前妻との間の子へもいってしまうことを避けるための約束になります。

そして、実の子が未成年だった場合を考慮し、以下のような取り決めも致しました。

「夫婦の子が未成年の場合、父親は子の代理人を選任し、遺産に関する手続きと管理を行う。」

 

ここまで約束をしておけば、万一の際に、実の子どもが母親の遺産を全て相続することができます。

この場合でも、遺言書を作成しておくことをお勧めしますが、まず結婚前に二人の認識を合わせておくためにも婚前契約で残しておくことが大切です。

 

その他の項目として、慰謝料の定めや万一離婚の際の養育費、夫婦の細かな約束事を記載し、締結となりました。

 

 

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婚前契約事例⑧高収入男性と女性(専業主婦)

今回の事例は、男性が高収入で、女性は結婚後に専業主婦になる予定のカップル

主なご相談内容としては、「万一離婚の際の財産分与について」です

 

男性は、ファンドを運用している関係で、「万一離婚となっても直ぐに現金化するのが難しい、財産の1/2を離婚時に渡すことができないため、その代わりに月々の生活費を渡していきたい。」

というご希望でした。

 

高収入の男性と結婚される女性は、結婚後に専業主婦になるケースが少なくありませんが、そうなると、万一離婚した場合、その後の生活を不安に思うことが少なからずあると思います。

そういった不安をこの契約で解消できますし、男性としても、直ぐに現金化することを免れるので、お互いにメリットがある形になります。

 

どのくらいの期間と金額を支払うかはそのカップルにもよると思いますが、婚姻期間に見合う形での支払いがお互いに納得がいくでしょう。

 

このカップルは婚姻期間の年数分を支払うことを男性が約束し、金額は◯十万と驚くほど高額な設定でしたが、ご本人曰く無理のない設定とのことでした。

この期間と金額は、あくまでも現実的な額であることが大前提です。

 

婚姻期間が長ければ、支払期間も長くなるのは当然ですし、短ければ支払期間も短くなります。

支払う額は、月収の◯割という決め方や予め額を決めておくこともできます。

 

これはあくまでも財産分与ですので、もしお子さんが要る場合、養育費とは別に支払うものになります。

 

 

高収入の男性で、万一離婚の際、財産の現金化が難しく分与ができないという心配がある方は、こういった方法も選択肢の一つとしてお勧めしております。

 

その他の内容としては、お子さんの教育方針やお二人の細かなルールなどを記載し、締結となりました。

 

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婚前契約事例⑨婚姻期間8年(夫婦間合意契約書)

今回の事例は、結婚後8年が経過し、夫の不倫が発覚・・・「婚前契約作成しておけばよかった…」という方からのご相談。

 

婚前契約は、その名の通り、結婚前に作成する必要があります。

なぜなら、民法754条夫婦間契約の取消権があり、「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる」

 

つまり、結婚後の契約は取り消せてしまうのです。

ですので、結婚前でないと意味がないのですが、この754条には例外があります。

それが、まさに今回のようなケース。

夫婦の一方が不倫をし、婚姻関係が実質破綻している場合には、夫婦間の契約を取り消せないとしています。

 

このような場合、「婚前契約書」ではなく、「夫婦間契約書」となりますが、内容は殆ど同じです。

 

今回のケースでは、夫の不倫が原因となりますので、契約書の内容も、夫に対して誓約してもらう形となりました。

具体的には・・・

次回不倫した場合の慰謝料の設定
財産分与について(不動産を妻へ)
子どもの養育費の取り決め
今後は、妻の信頼回復に精一杯努めること、等

 

この夫婦間契約についても、婚前契約と同様に法的効力のある公正証書で作成致しますが、この作成には、当然相手の同意が必要となります。

 

今回のケースは、夫が離婚に強く反対し、妻は、子どもがまだ小さいということもあり、婚姻関係を続けることにした、という経緯があり、夫の同意を得やすかったため、スムーズに締結まで進みました。

 

ですが、もし、不倫した夫が離婚を希望しているような場合には、この夫婦間契約を締結までもっていくのは難しいです。

 

お互いに婚姻関係を継続したい意思があり、でも裏切られた相手を信用できない、という方のために「お守り」として作成をお勧めしております。

婚前契約事例⑩ハワイの男性と国際結婚(Skypeで対応)

今回の事例は、ハワイからのご相談で、Skypeで対応させて頂きました。

ハワイの男性と日本人女性との婚前契約(プリナップ)です。

男性からプリナップを渡され、翻訳はしたものの、専門用語ばかりで理解できない…
内容をきちんと把握したいということでのご依頼でした。

ハワイには日本語のできる専門家がいないということで、日本で探されていたようです。

内容は、アメリカなどの婚前契約ではよく見る内容で、婚姻前、婚姻中、離婚時、離婚後において、生存中も死亡後も財産・遺産を分けないというものでした。

自分の財産はきっちり自分のものとして、万一何かあっても揉めないよう取り決めをしたかったようです。

こういった内容は、海外のプリナップでは多くみられます。

入籍後もハワイで生活されるということでしたので、ハワイの法律を基に作成し、万一離婚する際にも、ハワイの法律の基、離婚することが決められていました。(これは、国際結婚の場合、どちらの法律を準拠法とするかは、必ず記載します。)

その他の内容では、親権や慰謝料についても記載がありましたが、日本の法律との違いなども説明させて頂いたところ、その違いに驚かれていらっしゃいました。

例えば、日本では、共同親権が認められておりませんので、離婚時はどちらか一方が親権者となりますが、海外では共同親権が認められています。

国によって法律が違うのは、不思議で面白いです。
こちらもハワイでの離婚事情を知ることができ驚きと発見で勉強になりました。

※今回のように、海外からのご相談もSkypeなどにより対応させて頂いております。お気軽にお問合せください。

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婚前契約事例⑪南米出身の男性との国際結婚(海外在住)

事例は、南米出身の男性とアメリカ在住の日本人女性との国際結婚の婚前契約(プリナップ)。

お二人ともに海外在住でしたので、メールと郵送のやり取りで作成させて頂きました。(※やり取りはSkypeでも可能です)

日本で婚前契約を公正証書の形で作成する場合、本人が直接公証役場で手続きするか、若しくは代理で手続きするかのどちらかになります。

今回は、お二人ともに海外在住で、日本に帰国する予定もないということでしたので、代理で作成することになりました。

内容は、財産に関することから、家事育児の分担、離れて暮らすことになっても子どもとの面会は定期的に行う…等を盛り込み、また、宗教関連や離婚後の扶養の有無など、国際結婚ならではの内容も記載。

締結となりました。

 

今回締結手続きは、代理での手続きとなりますので、プリナップ協会の理事二人で行いました。

 

今回ご本人達が一番苦労されたのは、サイン認証の取得だったかと思います。

代理で公正証書を作成する場合、印鑑証明書の提出が必要となりますが、海外在住の場合、印鑑証明書に代わるものとして、サイン認証の提出が必要となります。

サイン認証は、その国の公証役場で取得することができますが、今回は男性が南米出身ということもあり、公証役場がどこにあるか分からない(公証役場自体がない??)といった事態に陥りました。

情報を収集するのに戸惑いましたが、その国の日本の大使館に問合せて、なんとか公証役場を見つけることができました。

国によっては、公証役場というものはなく、弁護士が公証人を兼任している場合もあるようです。

 

因みに日本人女性のサイン認証は、その国の日本大使館で直ぐに取得することができました。

 

取得頂いた書類は郵送で日本に送って頂きましたが、今回は入籍日までに時間の余裕がないということで、普通郵便ではなく、DHLでやり取りさせて頂きました。(DHLの場合、4~5日で到着致します。)

 

今回のケースのように、お二人ともに海外在住の場合でも、婚前契約の作成は可能です。お気軽にお問合せください。

 

※日本で作成する婚前契約は、あくまでも日本の法律を基に作成する形となります。

 

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婚前契約ケーススタディ①

離婚したカップルで、婚前契約があったら・・・と思ったケースをご紹介致します

 

夫はサラリーマン

妻は仕事を続けたい主婦でした

 

妻は出産後、一時的に休職したものの、直ぐに仕事へ復帰

夫も妻が働くことを快く了承しました

 

ここまでは円満な家庭です

 

ところが、妻が働いて疲れていても、夫は全く家事・育児を手伝いません・・・

妻一人が、炊事洗濯育児全てを行いました

 

夫:仕事のみ

妻:仕事・家事・育児

 

結果、妻は結婚生活に疲れ、二人は離婚・・・

(当然といえば当然の結果かもしれません)

 

妻からすると、夫は何もしないので、子どもが二人いるようなものです

さらに、妻は仕事もしているのである程度の経済力があり、夫に頼らなくても生活が可能

 

そうなると負担は⇒

シングルマザーの負担 < 結婚生活を続ける負担

 

となり、離婚をして、シングルマザーになった方が負担が減ることになります

 

このカップル…

婚前契約を結んでおけば(結婚前に価値観のすり合わせをしておけば)結果が変わったかも。。。

 

 

このカップルの場合、夫の姿勢には疑問を感じますが、それ以前にそもそも価値観が違っていたのだと思います

 

夫は、昔から両親をみて育ってきたのかもしれません

 

父親は仕事をして、母親は専業主婦で家事をする・・・

そんな家庭で育ってきていれば、「父である夫は何もしなくていい」というのがその人の価値観となります

 

そんな話し合いを結婚前にしていれば、夫はもう少し家事育児に協力してくれたかもしれませんし

若しくは、専業主婦になってくれる女性を探したかもしれません

 

大切なのは、お互いの価値観(のズレ)を知ってから結婚するということ

 

価値観のズレを共有し、相手を知った上で幸せな結婚生活を送って頂きたいと願っています