こちらで作成する過去の事例から、
婚前契約書の作成をご依頼される方の中には、過去に浮気されたり、浮気でなくても、信頼を裏切られることがあったり…という経緯があります
それは、婚約中のことだったり、数年前のことだったり、
若しくは、前回の結婚で裏切られた・・・
親の離婚を見てきて辛い思いをしたくない・・・
といったように、以前に何らかの辛い経験があり、
婚前契約の作成に踏み切るといったケースが多いです
確かに、何の心配もなく幸せいっぱいなのに、「婚前契約を作ろう」とはあまりならないかもしれません
欧米では、結婚前に婚前契約の作成が一般的なようですが、日本ではやっと最近認知され始め、それでもまだ一般化されていないのが現状です
婚前契約書は「お守り」として
幸せいっぱいで何の不安もない方にとって婚前契約は二人の良い記念になると思います
結婚に不安があるという方にとっては「お守り」になるのではないでしょうか
「お守り」として実際に作成される内容は、とくに男性側にとって厳しい内容のことが多いです(女性が何らかの不安を抱いている場合)
内容は婚姻期間中に不倫した場合のペナルティが書かれていたり、細かい約束事が書かれていたりしますが、それでも作成に応じる男性というのは、結婚に対して「覚悟」を決めたという証です。
「婚前契約」は結婚後の異性問題を未然に防ぐ効果も期待できますし、傷ついた側からすると結婚に踏み切る一つのツールとして非常に有効です。
また、婚約期間中に何らかの不安要素が発覚した場合、「ご両親の反対」が壁になることがあります
実際に「両親による反対」を理由にご依頼される方もいらっしゃいますが、婚前契約があることで、「結婚を許してもらった」というケースも過去に数件ございました
ご両親を安心させてあげるためにも「婚前契約」をお勧めしております
男性の理解を得るには
婚前契約書を作成するには勿論お互いの同意が必要となります。
縛られるのを嫌がる男性にとって、「婚前契約書」というのは面倒で、なかなか同意を得ることが難しいかもしれません。
逆に女性にとっても、男性の意見は通りにくいものです(事例から男性のご依頼は自身の資産の明確化と資産を守ることを目的としていることが多いです)
では、どうしたらいいか。
(女性のご依頼が多いので、女性の立場として書きます。)
まず婚前契約は、男性から女性への愛情表現の1つであり、その男性の愛情をとても感じた事例をご紹介します。
結婚が決まっているお相手の女性は、漠然とした不安を抱いていました。マリッジブルーだったのかもしれませんし、もともと心配性な性格だったのかもしれません。
その女性は、友人から「婚前契約」の存在を聞き、彼に入籍前に「婚前契約」を交わしたい、と話しました。
彼は、「婚前契約」の存在を知りませんでしたので、色々調べたり、友人に話したところ、「そんなの縛られるみたいで嫌だ」と皆に言われたそうです。
ですが、彼としては、彼女が結婚に対して不安を抱いている、そして、それが婚前契約で解消できるなら…と、婚前契約の作成を承諾しました。
そして、彼は遠方にお住まいだったのですが、わざわざ新幹線でプリナップ協会まで足を運び、最後まで作成に協力してくれました。(遠方の場合、東京までお越し頂かなくても代理作成が可能です)
この男性は、彼女の言いなりになっているのではなく、主体的に考えて、きちんと彼女と向き合い、結婚と向き合っているのだと感じました。
「婚前契約を作成したい」だけど、どう切り出していいかわからないという方、
まず、今抱いている不安を彼に正直に打ち明けてみてください。素直に、なぜ不安なのか正直に。
素直に話せば、彼もきちんと向き合ってくれると思います。
そして、その不安を解消できる方法のひとつとして「婚前契約」があるということを、伝えてみてください。
もし、「婚前契約」を作成しなくても、抱いている不安を彼が解消してくれるなら、他に解消する方法があるならば、婚前契約を作成する必要はなくなります。
大切なのはお互いに向き合うこと
彼の同意を得るには・・・について話してきましたが、大切なのは、お互いに向き合うこと。
婚前契約書を作成するということは、相手と向き合うことです。
具体的な話をすると、結婚に対する夢や希望がなくなりそうですが、具体的な話をすることで、漠然とした不安は解消されます。
例えば・・・
・金銭関係
結婚後のお金の管理は?妻がする?別々に管理する?お金の価値観を確認。
・親族関係
親族との付き合い方や親の介護について。
・子どもについて
子どもは何人?子育てや教育方針…自身が受けてきた教育が基準となっていることが多いです。
・仕事について
共働きか専業主婦か…共働きなら当然夫も育児や家事への協力が必要です。
・不倫関係
不倫は絶対ないと思うけど…万一のときの慰謝料など。
・夫婦のあり方
休日の過ごし方…2人で過ごすのか、1人の時間も必要なのか…。
上記はほんの一例ですが、
カップルの中には、結婚後のことはさほど考えず、話し合いもせず入籍してしまう方もいます。
それでも夫婦円満で何の問題もないカップルはいますが、そんなカップルばかりではありません。
例えば、夫婦のあり方は結婚生活を送る上で非常に大切です。
休日は家族で過ごしたいと思っている人と趣味に費やしたいと思っている人とでは価値観が違います。
それをどこまで許せるのか…
夫婦といっても他人ですので、価値観の違いはあります、ズレがあって当然のこと
夫婦喧嘩もそうですが、どちらが悪いということではなく、価値観が違うだけです。その価値観のズレをあらかじめ知って結婚することが非常に大事だと思います。
離婚原因の1位が性格の不一致。
性格の不一致は価値観のズレからくるものではないでしょうか。
結婚前からお互いをオープンにし、オープンな人間関係でいることが夫婦円満のカギだと思います。
「婚前契約」= コミュニケーション
籍を入れる前に一度冷静になり、向き合い、お互いの価値観を話し合ってみてください。
2人の将来についての話し合いであれば、相手も応じてくれるのではないでしょうか。
結婚は責任がともないます
ここからは、「婚前契約」の話というよりも、「結婚とは」の話になりますが・・・
結婚は法的にも色々な責任や義務が伴いますが、ここではそういった話は省きます
ここでお話したいのは
「結婚相手にその人を選んだのは自分自身である」
ということです
結婚生活は長くなればなるほど色々なことがあります
1人より2人、2人より3人と家族が増えた方が楽しいことも増えますが、それだけ大変なことも増えます
旦那さんに対して不満が爆発することもあるでしょうし、信頼を裏切られることだって可能性としてはあり得ます
そんな時、相手を責めるだけではなく、「どうしてそうなったのか」「自分に責任はなかったか・・・」と自分に問いかけてみてください
もし、自分に責任がなかったとしても、最終的には「そういう人を選んだのは自分である」ということ、そこには責任を取らなければなりません
長年、行政書士として多くの離婚相談を受けてきて感じたことです。
好きで結婚したはずなのに、別れ際には
「直接話したくない」「顔も見たくない」
楽しかった思い出も全てなかったことになっています。
そうならないためにも
結婚に踏み切るのは、責任を取れる準備ができてからです。
その「責任を取ること」の準備のために、婚前契約をお勧めしたいと思います